こんにちは、アバー・インフォメーションの臼井です。
現在さまざまなWeb会議ツールがありますが、Zoomといった従来の人気Web会議ツールにはない機能や、使い勝手の良さが評判を呼び、話題となっている「Around」というWeb会議ツールをご存知でしょうか?
Zoomなどを利用している時に感じる不満や課題を、Aroundはうまく解消しており、また無料プランでもさまざまな機能が利用できるため、日本でも一部の人々の間ではすでに話題になっており、実際に利用した方からは高い評価を受けています。
そこで今回は、噂の高機能Web会議ツール「Around」の使い方と、そしてZoomとの具体的な違いについても、紹介いたします。
話題のWeb会議ツール「Around」とは?
Aroundは、2018年にアメリカのTeamportという会社によってローンチされたWeb会議ツールです。15年のリモートワーク経験を持つ創業者が、2年以上の歳月をかけて開発したツールなだけあり、ユーザーインターフェースの使いやすさ、そしてこれまでのWeb会議ツールが抱えていた課題や不便さを解消してくれる機能などが、高い評価を受けているWeb会議ツールです。
Aroundの特徴とZoomとの違い
それではZoomなど、従来のWeb会議ツールとは異なる、Aroundが持つ特徴について1つずつ見ていきましょう。
【特徴1】従来のWeb会議ツールの不便さを解消した、ユーザーインターフェース
Aroundを初めて利用した時に、まず目を引かれるのがその特徴的なユーザーインターフェースです。
通常のWeb会議ツールの場合、会議参加者の映像は長方形に表示されますが、Aroundでは上図のように、ユーザーの映像が円形にトリミングされ、さらに参加者の映像がキャンプファイアを囲むかのように、円になって表示されます。(表示方式でCampfire Modeを選択した場合)
また、Aroundでは、参加者の顔の周囲だけを切り抜いた映像が表示されるため、背後に余計なものが映り込まず、他のWeb会議ツールのように、バーチャル背景やぼかし背景などの機能で、背景を隠す必要もありません。
従来のWeb会議ツールでは、会議中にファイルやアプリを立ち上げて作業を行いたい場合、Web会議ツールの画面を最小化する必要があるため、デュアルモニター環境ではない場合、参加者の映像を見ながら作業を行うことができませんでした。
Aroundの場合、「Floating Mode」という表示形式を選択すると、会議中にファイルやWebページなどを開いて作業を行っても、上図のように参加者の映像が開いているファイルやWebページ上に、フロート表示されるため、参加者の映像を見ながら、作業を行うことができます。
【特徴2】参加者の顔を中央に表示する、自動追尾機能
Aroundには、参加者の顔を自動追尾する機能が備わっており、Webカメラの撮影範囲内であれば、その範囲内で動いたりしても、円形で表示される映像の中心に、参加者が収まるように自動追尾を行ってくれるため、Webカメラの設置位置などを気にする必要がないのも、大きな特徴です。
【特徴3】議事録作成に便利な「Notes」機能
Aroundに搭載されている「Notes」は、議事録の作成にピッタリなメモ機能です。Zoomで議事録を作成しようと思った場合、Zoom自体にメモ機能は無いため、チャット機能を代用するか、会議を録画する、あるいはワードやGoogleドキュメントなどで議事録を作成する必要があります。
Aroundの「Notes」機能は、参加者全員で共同編集ができるメモ機能のため、会議を行いながら議事録に記入したり、皆と一緒に確認しながら議事録の変更・修正をリアルタイムで行うことができます。
そして、何より便利なのがNotesで作成した議事録やメモなどは、Notesの入力画面下部に①「These notes will be automatically emailed to all signed in participants at the end of the meeting」と書かれている通り、Web会議終了後に、各参加者に自動でメール送信されるため、議事録の共有も自動で簡単に行うことができる点です。(※Webブラウザから参加しているユーザーには、メール送信は行われません)
【特徴4】独自技術によるハウンリング防止技術
同じ部屋から、複数の参加者がそれぞれのPCでWeb会議に参加した際に、参加者のPCのマイクが互いの音声を拾ってしまい、ハウリング現象を起こしてしまうことがありますよね。
Aroundでは、ハウリング防止の独自技術が実装されており、参加者の中で同じWi-Fi回線を使用する人が複数人いる場合、「同じ部屋に人がいませんか?」と注意メッセージが表示されます。
同じ部屋から、複数人がそれぞれのPCでWeb会議に参加する場合は、画面に表示された①「同じ部屋に人がいます」という項目を選択すると、Aroundに搭載されているハウリング防止機能が適用され、ハウリング現象が発生しなくなります。
【特徴5】ノイズの抑制や音量の自動調整機能
Web会議をしている際に、周囲の環境音や雑音などが入り込んでしまうことがありますが、Aroundには周囲の環境音やノイズを抑制する機能が搭載されているため、余計な雑音などに悩まされることなく、会話に集中することができます。
また、参加者の音声が小さく、会話の内容が聞き取りにくい時なども、Aroundでは音声を聞き取りやすい、最適な音量へと自動調整を行ってくれます。
【特徴6】ドラッグ&ドロップでできる、画像の共有
画像の共有方法も、他のWeb会議ツールとは異なり、画面上部の①「Image Sharing」という項目をクリックした後、共有したい画像ファイルを②画面の中央に、直接ドラッグ&ドロップするだけで、簡単に画像共有することができます。
【特徴7】多彩なフィルター機能
Aroundには、参加者のカメラ映像にかけるフィルター機能が備わっており、自身のカメラ映像の中央に表示されるアイコンをクリックすることで、簡単に映像にフィルターをかけることができます。
ビジネスシーンで使うのには、適さないフィルターも多いですが、プライベートで友人とWeb会議をする時など、ノーメイクで参加するのが気になるという方は、フィルター機能を活用すると良いでしょう。
Web会議ツール「Around」の使い方
Aroundを使用するために、まずAroundのユーザーアカウントの登録と、PCにアプリケーションのインストールを行いましょう。(※2021年4月現在、スマホ版アプリは未リリース)
ホストとしてユーザーを招待して会議を開く場合は、アカウント登録とアプリのインストールが必要となりますが、ホストから招待されてAroundのWeb会議に参加するユーザーについては、アカウントの登録およびアプリのインストールも不要で、ブラウザからWeb会議に参加することができます。ブラウザからWeb会議への参加方法については、後述します。
Aroundのアカウント登録とアプリのダウンロード方法
Aroundの公式サイトのトップページ右上の①「SIGN UP & INSTALL」より、アカウント登録とアプリケーションのダウンロードができます。
アカウント登録は、Googleアカウント、Slackアカウント、メールアドレスで行うことができるので、お好きな方法でアカウントの登録を行ってください。
アカウント登録が完了すると、Aroundの利用招待メールの送信画面が表示されます。友人や同僚にAroundの利用招待メールを送りたい場合は、こちらの画面でメールアドレスを入力し、送信すると、利用招待メールを送ることができます。
送信が不要の方は、①「Skip this step」をクリックし、次に進みましょう。
続いて、アプリのダウンロード画面からアプリのダウンロードを行います。アプリは、MacOS版とWindows版の2種類が用意されているので、お使いのPCに合わせてアプリを選択してください。
Aroundで今すぐ会議を始める方法
アプリのインストールを行い、アプリを起動すると、上図の画面が表示されます。今すぐWeb会議を開始したい場合は①の「Meet Now」、もしくは②の「◯◯’s personal room」をクリックすると、会議画面が立ち上がります。
会議画面が表示されたら、①の「Copy link」をクリックし取得したルームURLを、会議に招待したいユーザーに共有します。
招待した参加者がルームに入室する際に、ホスト側に①入室許可の確認メッセージが表示されるので、入室を許可する場合は「Accept」、拒絶する場合は「Reject」をクリックします。
参加者の入室が完了し、上図のように円形の参加者のアイコンもしくはカメラ映像が表示されたら、会議を開始することができます。
会議から退出する場合は、画面左上の①「受話器」アイコンをクリックすると、会議から退出することができます。
ミーティングをスケジュールする方法
Aroundアプリには、Zoomのように「ミーティング予約」機能が、今のところ搭載されておりません。(Chromeのプラグインを導入することで、Googleカレンダーと連携は可能)
そのため、日時を取り決めてWeb会議を開催したい場合は、アプリ画面の②「Meet Later」をクリックして、ルームURLを取得した後、招待する参加者に開催日時とルームURLをメール等で連絡する形で、スケジューリングする必要があります。
開催日時になったら、共有されたルームURLを直接クリックするか、もしくはAroundのアプリ画面にある①「Join Meeting」をクリックし、②の入力欄にルームURLを入力して、③「Join」を押せば、Web会議に参加することができます。
ブラウザからAroundのWeb会議に参加する方法
招待を受けたユーザーが、ブラウザからWeb会議に参加したい場合は、まずホストから共有されたルームURLをクリックします。
上図のようにAroundアプリのインストールを促すメッセージが表示されたら、ページ右下にしばらくすると①「Having issues?~」というメッセージが表示されるので、そのメッセージ内にある「your browser」をクリックします。
次に会議画面に表示するユーザー名の設定を行い、「Join」をクリックしてルームに入室します。
入室が完了すると、上図のように会議画面が表示され、通話を開始することができます。
AroundとGoogleカレンダーを連携させるChromeプラグイン
上でも述べた通り、Around自体には会議の日時予約(スケジューリング)を行う機能が搭載されておりません。しかし、AroundとGoogleカレンダーを連携させる、Chromeのプラグインを使用することで、Googleカレンダーを使ってAroundのWeb会議のスケジューリングができるようになります。
Chromeのプラグインをインストールしたい場合は、Aroundのアプリ画面右上にある、自身のユーザー名が書かれたアイコンをクリックすると、メニューが表示されるのでその中から①「Install Gcal Extension」をクリックします。
次に、画面に表示されたメッセージの中の①「Integrate」と書かれたボタンをクリックします。
Aroundのプラグインページが表示されたら、「インストール」をクリックします。
次に、Googleカレンダーを開きます。Chromeのプラグインのインストールが完了すると、Googleカレンダーに①「Aroundをインストールしました」というメッセージが表示されるので、OKをクリックしてAroundとGoogleカレンダーの連携を行います。
AroundとGoogleカレンダーの連携が完了後、Googleカレンダーの予約画面の①「▼」ボタンをクリックすると、②Web会議ツールの選択項目が表示されるので「Around Meeting」を選択します。
あとは、Web会議に招待したいメンバーのメールアドレスを③「ゲストを追加」の入力欄に入力して、予約を保存すればWeb会議の予約とメンバー招待は完了となります。
Aroundのプランは現在、無料プランのみの提供となっており、有料プランについては今後提供予定となっております。しかし、無料プランでも会議時間は無制限、またWeb会議に必要な基本的な機能も無料で使用できるので、興味がある方はぜひ一度、試してみてはいかがでしょうか。
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アバーインフォメーション株式会社 Webマーケティング/「WEB会議DEどうでしょう」制作・執筆担当
台湾のWebマーケティング企業で、Webディレクターとして現地企業のWeb制作ディレクションや、Webマーケティングセミナーの講師などを担当。日本に帰国後、訪日外国人向けWebメディアの編集チームに加入。主に繁体字中国版の編集ディレクターとして、コンテンツ企画等を担当。現在は、アバーインフォメーションのWebマーケティング担当として、「WEB会議DEどうでしょう」の運営、記事執筆のほか、さまざまなPR施策を担当しています。
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