こんにちは、アバーインフォメーションの臼井です。
すっかりWeb会議ツールの代名詞となった「Zoom」。皆さんも、仕事などで使う機会が増えてきているのではないでしょうか。
皆さんの多くが「Zoom Meeting」というアプリケーションを使って、Web会議を行っていると思いますが、実はZoomは「Zoom Meeting」のほかに、「Zoom Rooms」というWeb会議ツールを提供しています。
「Zoom Meeting」も「Zoom Rooms」も、ともにZoom社が提供するWeb会議ツールですが、この2つの違いについて、理解している方はまだあまりいないのではないでしょうか。
そこで今回は、「Zoom Rooms」とは一体どんなツールで、Zoom Meetingとはどういう違いがあるのかについて、紹介いたします。
Zoom Roomsとは?
Zoom Roomsは、会議室にZoomのアプリケーションがインストールされた端末を常設して使う、Web会議システムです。
使い方としては、従来の「テレビ会議システム」と同じで、「Zoom専用のテレビ会議システム」とイメージしてもらうと、わかりやすいかもしれません。
ただ、「従来のテレビ会議システム」と同じように、会議室に端末を常設して使うWeb会議システム、と聞くと「それでは、従来のテレビ会議システムとはどう違うの?」という疑問が頭に浮かんだ人もいるんじゃないでしょうか?
従来のテレビ会議システムとは、どう違う?
テレビ会議システムも、Zoom Roomsも会議室に端末を常設して、使用するという「使い方」の部分に関しては共通しています。
しかし、テレビ会議システムは「専用端末が設置された会議室同士」を「専用回線」で繋いで、遠隔会議を行うのに対し、Zoom Roomsは、会議室に設置された、ZoomアプリがインストールされているPCと、相手を「ネット回線」で繋ぐ、というのがテレビ会議システムと最も異なる点です。
テレビ会議システムを導入する場合、専用機器と専用回線を用意する必要がありますが、Zoom Roomsであれば、ネット回線と以下の機器を購入すれば、Zoom Roomsに必要な環境構築が簡単にできます。
Zoom Roomsの環境構築に必要なもの
1.PC(アプリを入れ、Zoom専用端末として使用する)
2.タブレット端末(Zoomを操作するコントローラーとして使用する)
3.Webカメラ
4.マイク・スピーカー
5.モニター
Zoom RoomsとZoom Meetingには、どのような違いがあるの?
次にZoom RoomsとZoom Meetingは、一体どのような違いがあるのか?についてですが、Zoom Roomsと、Zoom Meetingでは用途や最適な利用シーンが異なります。
ホストが開設した仮想会議室に、招待されたメンバーが、別々の場所から、各々が持つ端末を使って会議に参加する、というのがZoom Meetingの最も一般的な使用イメージではないでしょうか。
ネット環境とPCやスマホなどの端末さえあれば、いつでも、どこからでもWeb会議に参加できるので、Zoom Meetingは、上の図のように外出先や自宅からなど、メンバーが別々の場所から会議に参加する、という使い方に向いています。
一方で、一つの会議室にメンバーが複数人集まり、会議室に設置されたPCやWebカメラなどの周辺機器を使って、外部とWeb会議を行うのが、Zoom Roomsの使用イメージです。
各拠点と繋いでの重役会議や、クライアントとの定期会議といった、複数人が会議室に集まり、他拠点や外部とWeb会議をする、という利用シーンに向いています。
またZoom Roomsを利用した場合、主に以下4つのメリットがあります。
Zoom Roomsは会議室に常設なので、セットアップの手間が不要
会議室に常設してあるPCは、常にZoomにサインインしてあるので、すぐにWeb会議をスタートできるだけでなく、Webカメラやマイク・スピーカーといった周辺機器もセッティング済みであるため、毎回PCや周辺機器をセットアップする手間が要らず、会議室に行くだけでWeb会議ができる状態に常になっている、というのがZoom Roomsを利用するメリットです。
ライセンスが「会議室」単位なので、契約管理が楽
Zoom Meetingで有料プランを契約する場合、有料プランを利用する「ユーザー」毎にライセンスを購入する必要がありますが、Zoom Roomsの場合は「会議室」単位で、ライセンスを購入することになるため、Zoom Roomsが設置された会議室に行けば、誰でもZoom Roomsを利用できる、という点が便利です。
テレビ会議システムの良さとWeb会議の利便性の両方を併せ持つ
Zoom Meetingの場合、メンバーが別々の場所から、各々の端末を使って、Web会議に参加するため、各自のネット環境や、使用端末のスペックの違いなどによって、映像・音声品質にバラツキがどうしても生じてしまいます。
Zoom Roomsの場合は、Zoom専用として会議室に設置されたPCを使い、社内のネット回線を通じて、会議に参加するので、映像・音声品質や、パソコンも安定した状態で、使うことができます。
従来のテレビ会議システムは、専用端末と専用回線を使っているため、映像・音声品質が非常に高いのが、メリットでしたが、その反面、専用回線を使うため、別の会議室に端末を移動して使用することができない、という利用場所の制限がありました。
Zoom Roomsは、ネット回線を使うため、PCや周辺機器を別の部屋に移動しても、使用することができます。いわば、テレビ会議のような安定性と、Web会議の利便性の、両方を持ち合わせていると言えます。
「画面共有」機能に、Zoom Meetingとの最大の違いがある
Zoom Meetingを使い、Web会議する際、たとえば上の図のように、AさんのPCを使用して、AさんとBさんの2名が会議に参加した場合、Bさんは自身のPCから画面共有を行うことができません。
一方、Zoom Roomsの場合、参加メンバーは、会議室に持ち込んだ自身のノートPCの画面共有を行うことができる、という点が、Zoom Meetingの「画面共有」機能とは異なる点です。
会議の進行内容に応じて、各自のPCからさっと必要なデータ・資料を皆に共有できるため、Web会議の効率に大きく影響します。
新型コロナウイルスの影響もあり、Web会議を導入する企業が増えてきましたが、各企業によってWeb会議の利用シーンや用途は、異なります。
外出先などから参加するメンバーが多い会社であれば、Zoom Meetingの方が適しているでしょうし、全国展開しているような企業が行う重役会議や、定例会議であれば、Zoom Roomsの方が、よりニーズに適しているかもしれません。
自社のWeb会議の利用イメージをしっかりと考えた上で、自社に最適な方を導入し、活用していきましょう。
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アバーインフォメーション株式会社 Webマーケティング/「WEB会議DEどうでしょう」制作・執筆担当
台湾のWebマーケティング企業で、Webディレクターとして現地企業のWeb制作ディレクションや、Webマーケティングセミナーの講師などを担当。日本に帰国後、訪日外国人向けWebメディアの編集チームに加入。主に繁体字中国版の編集ディレクターとして、コンテンツ企画等を担当。現在は、アバーインフォメーションのWebマーケティング担当として、「WEB会議DEどうでしょう」の運営、記事執筆のほか、さまざまなPR施策を担当しています。
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